HRI2023は、2023年3月13-16日にかけて、スウェーデン王国ストックホルム市にて開催(採択論文数:63本,採択:25.2%)された。開催形式はハイブリッドであり、37ヶ国6大陸から、Onsiteで540名、Onlineで187名、合計726名の参加者は、HRI開催史上2番目の多さを誇った。今年の学会テーマは”HRI for All”であり、発表者だけではなく運営の多様性も特筆すべきものであった。閉会式の写真1のように、女性が半数以上であり、かつ人種も多様であった。

Online参加者用にはhopinを用いたシステムが用意され、写真2のように、各参加者がチャット欄にプロフィールやアイコン付きでコメントできる機能がついていた。

例えば、Keynoteで浅川先生(IBM)が、盲導犬と盲導スーツケースを比較して「盲導スーツケースの方が良い」という話をトーク中にして、会場からもChat欄からも”Guide dogs are much more than guide suitcases”というコメントも出た(写真2)。ただ、浅川先生は犬が苦手だそうで、それは生理的な犬アレルギー同様に考慮されるべきユーザーの特性の一つである。

また、常にExpoでは各発表のvideoが視聴可能(写真3)となっており、Student Design Competitionでは、自身のBoothの訪問者全員へBCCで「コメントしてってね!」とメールを送る強者もいた。オンライン開催でのポスター等の発表者へのフィードバックの少なさは常々指摘されるが、発表者側も、そのくらい押しが強さが必要かもしれないと感じる出来事であった。

 

北海道大学大学院 情報科学院 情報科学専攻 春日 遥

 

写真1 閉会式で壇上に立つHRI2023の運営者の多様性

写真2 浅川先生のKeynote後のコメント欄(スポンサーのCM中)

写真3 ExpoのStudent Design Competitionのブースの様子