近井 学(産業技術総合研究所)

 

ヒューマンインタフェースシンポジウムで発表を聴講していると、研究に対しての発表者皆さんの熱意を強く感じることが多く、自分の研究の新たな発見に繋がったり、また新しい課題を認識することができます。特に当シンポジウムの目玉である対話発表はとても盛り上がっており、また議論をしたいという主眼の討論発表のどちらにおいても、熱い議論が繰り広げられていて、シンポジウムや学会会場全体で良い雰囲気であると感じています。

 

私は、学会や研究会のような場で成果を発表し、聴講者の方々と自分自身の考えをぶつけ合うということは非常に大事なことだと感じています。同じ研究室の方々での意見交換も重要ですが、研究課題の目的についても再認識することができ、違う角度から物事を見ることは重要だと思います。

 

しかしながら、「違う角度から物事を見てみましょう」ということを体現することは難しいと思います。私自身、時限付きではありますが、これまでは自らの研究活動をまとめる立場から、少し離れた立場から「研究」ということを考える機会を得ました。申請書を作る立場と見る立場、異なる研究分野の最先端の研究を目の当たりにし、改めて研究活動の奥深さを認識しています。

 

このような経験を活かし、異なる分野の方々に研究を紹介する際には「みなさん、ぜひみなさんのご研究を違う角度から見てみてください。みなさんが取り組んでいることに少しでも参考になれば幸いです。」と伝えています。私自身、俯瞰的な視野、異なる視座から自らの研究を見てみることも大事と思いつつ、まだまだ体現できていないと感じつつ、日々精進していきたいと思います。