「個別最適な学び」や「個別支援計画」など、教育分野や医療福祉分野で「個」に向き合うサービスデザインに注目が集まっている。従前からそのニーズはあったが、デジタルテクノロジーの普及によって多様な分野でその実装が現実味を帯びてきた。しかし、教育分野や医療福祉分野が現場で向き合ってきた本来の個別性と、評価関数最大化のようなシステム上の「個別」「最適」といった専門用語とが必ずしも一致しないまま一人歩きをして、誤用乱用される例も散見される。本学会では、隣接分野において早くから個と向き合った研究手法を確立してきた質的研究や当事者研究など他分野との共同研究なども多く、この領域においても様々な知見を積極的にシステム研究に取り込み確立することが期待されている。
 そこで本特集号においては、「質的研究」や「当事者研究」などの手法を取り入れたインタフェース研究や、教育分野や医療福祉分野に限らず対象の「個別性」「固有性」に注目した研究を広く募集し、「個に向き合うインタフェース」の最前線を俯瞰した特集号としたい。元来、多数の事例から最大公約数的な対応を抽出することがエンジニアリング分野の得意領域であり、特定少数の「個」に向き合うことは必ずしも相性がよいとはいえない。しかし、事例の特異性や固有性から症例数やサンプル数を大幅には増やせない領域においても研究実績の多いヒューマンインタフェース研究から、必ずしも大きくはないN値についても独自の有用性、妥当性を示した独創的な研究を広く募ることで、この領域におけるシステム研究の確立を促進する狙いがある。

論文誌編集委員会

論文投稿締切日

2023年1月31日(火) 必着

特集号編集委員

○石井 裕(岡山県立大学)
 小北 麻記子(玉川大学)
 河野 純大(筑波技術大学)
◎塩瀬 隆之(京都大学)
 西山 敏樹(東京都市大学)
(50音順 ◎印は編集委員長 ○印は副委員長)