2026年1月30日(金)締め切り

 ヒューマンインタフェース研究は、ユーザ中心設計やユニバーサルデザインなど多彩な成果を挙げてきました。しかし、「研究成果をどう応用するか」ではなく、「研究成果をどのように社会実装し、現場の具体的課題へ結び付けるか」というプロセス自体は、依然として十分に議論されていません。実装先の制約・利害・文化を理解し、研究者と現場が継続的にコラボレーションする仕組みづくりこそが、次のブレイクスルーを生む鍵だと私たちは考えます。
 こうした問題意識のもと、今回の特集ではヒューマンインタフェース研究の社会実装を加速するための特集号を企画しました。本特集では、人・人工物・組織が織りなす複合的な活動を対象に、現場と研究がどのように手を携え、価値を共創できるかを多角的に探求し、さまざまなコラボレーションの基盤になるような研究を募集いたします。ここでいうコラボレーションとは、Communication / Collaboration / Cooperation / Connection / Computation / Cognition / Coordination など “Co-“=「共」「協」を核とするさまざまな概念の集合体です。私たちは、領域横断的な知見を共有し、社会的インパクト創出のための理論・方法論・実践事例を幅広く募集します。皆さまからの挑戦的かつ実践的なご投稿を心よりお待ちしております。

  募集トピック(例)
・研究成果の社会実装プロセスの設計と評価フレームワークの提案
・フィールド実験(In-the-wild 実験)やリビングラボによる長期的検証
・医療・福祉・教育・産業など多様な「現場」での共創デザイン事例
・現場ニーズ発掘手法(エスノグラフィ、インクルーシブデザイン等)
・人と AI/ロボット/IoT との協調・協働を支えるインタフェース
・組織間・専門領域間コラボレーションを促進する仕組み
・社会受容性・倫理・法制度を踏まえた工学的成果の社会実装戦略
・その他、Co-(Communication, Collaboration, etc.)の視点で現場共創を扱う研究全般

 特集号では、通常の号と一部異なる査読方針で査読を行います
・社会実装志向を後押しするポジティブな観点でのレビューで、現実場面への寄与を重視します。
・学術的新規性が相対的に小さくても、社会実装への道筋が明確な研究・実践について高く評価します。
・統計的な処理が困難な少数の実験参加者からなるものや、定性的研究、ケーススタディ、共創デザイン事例など、一般的に学術雑誌に採録されにくいタイプの論文であっても、今後のヒューマンインタフェース研究・コラボレーション研究の発展に寄与することが期待されれば積極的な姿勢で受け入れます。
 ・査読者は「どうすれば学術論文としての要件(理論的位置付け、方法論の透明性、再現性など)を満たせるか」という観点で、建設的な改善提案を積極的に行います。

論文投稿締切日

2026年1月30日(金)必着

特集号編集委員

 青柳 西蔵(駒澤大学)
 石井 裕 (岡山県立大学)
 石井 陽子 (NTT)
 泉 朋子(立命館大学)
 上田 樹美(京都大学)
 大久保 雅史(同志社大学)
 大﨑 章弘(お茶の水女子大学)
◎岡 耕平(滋慶医療科学大学)
 北村 尊義(香川大学)
 葛岡 英明(東京大学)
 小森 政嗣(大阪電気通信大学)
 板井 志郎(広島工業大学)
 塩瀬 隆之(京都大学)
 下田 宏(京都大学)
 瀬島 吉裕(関西大学)
 竹内 勇剛(静岡大学)
 田中 貴紘(名古屋大学)
 中茂 睦裕(湘南工科大学)
 中谷 桃子(東京工業大学)
 長松 隆(神戸大学)
 鳴海 拓志(東京大学)
 廣瀬 健司(北海道大学)
 藤田 欣也(東京農工大学)
 宮田 真宏(武蔵野大学)
 武藤 剛(文教大学)
○村田 和義(青山学院大学)
 山本 知仁(金沢工業大学)
 山本 倫也(関西学院大学)
 吉野 孝(和歌山大学)
 米村 俊一(芝浦工業大学)
※多少変更あり
 (50音順 ◎印は編集委員長、○は副委員長)