新型コロナウイルスへの対応について | 本研究会は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を考慮し,現地開催はせず,Zoomによるオンライン開催とします. なお,開催日時,申込締切,原稿締切の変更の予定はありません.ご不明・ご不安な点がありましたら,下記問合せ先までメールでお問合せ下さい.実施方法の詳細については追ってご連絡致します.多くのみなさまの申込をお待ちしております. |
主催 | ヒューマンインタフェース学会 ユーザエクスペリエンス及びサービスデザイン専門研究委員会(SIG-UXSD) |
開催日 | 2020年6月18日(木) |
会場 | ・オンライン開催:Zoom(Web会議サービス) |
内容 | HI学会は第177回研究会を「サービスデザインの理論と実践(3)」と題して開催します. サービスデザインという言葉は,今や研究や実践において頻繁に使われるようになりました.SIG-UXSDでは,その知見や事例を共有し,蓄積する場として,「サービスデザインの理論と実践」をテーマとした研究会を一昨年より継続して開催しています.研究会では,毎回多くの研究者や実践者によって活発に議論が交わされています.そして今回,「サービスデザインの理論と実践」の第三弾を企画します.今回の研究会では特に「サービスデザインのプロセスや手法に関する学術的側面からの議論」に焦点をあてて、発表を募集いたします. さらに,昨年度の研究会で大変ご好評頂いた「Showcase Session」も実施します.本セッションは原稿不要ですので,これまで原稿の執筆を躊躇していたデザイナーの皆様もぜひお申し込みください.最新の実践事例の知見や,そこでの苦労などを共有し議論することで,お互いに刺激しあいながら,実践に活かせるヒントを得る機会にできればと思っています. また,招待講演では,武蔵野美術大学の北崎允子准教授をお呼びしてご講演頂きます. なお,上記のテーマに直結する発表はもちろんのこと,SIG-UXSDにおいて従来から議論されてきたユーザ体験(UX)の向上に向けた社会学的・心理学的アプローチに関する最新の成果や取り組みに関する幅広い分野の発表も歓迎いたします. 皆様の奮ってのご参加をお待ちしております. |
招待講演 | 北崎允子先生(武蔵野美術大学 准教授) |
申し込み方法 | 「講演申込方法のご案内」のページ(https://www.his.gr.jp/meeting/submit.html)をご参照下さい.受理された講演には申込締切後,1週間程度で原稿作成に関するご連絡をいたします. (注) Showcase Sessionにお申し込みの方は,以下のメールアドレスに所属・氏名・題名・アブストラクト(100文字程度)をお知らせください.原稿は不要です. KDDI総合研究所 東條直也(na-toujou@kddi-research.jp) |
原稿のページ数 | 8ページ以下 (実践報告等もあるかと思いますので,書式が合っていれば最低2ページのabstract的な内容でも構いません.著作権は学会に帰属しますが,著作者本人が使用することは妨げません.学会の著作権規定については http://www.his.gr.jp/office/copyright.html を参照ください.) |
問い合わせ先 | KDDI総合研究所 東條直也(na-toujou@kddi-research.jp) |
参加費 | 聴講参加と予稿集の購入をご希望の方は,Peatixからチケットを購入してください. オンラインでの聴講参加は無料です.参加者は最大100名を予定しています. 予稿集については,研究報告集年間購読登録者は無料です. 研究会報告集電子閲覧サービスにログインして予稿集を閲覧できます. 年間購読非登録者はPeatixからチケット(1,000円)を購入してください. ※ 予稿集のダウンロード方法については,チケットご購入後にSIG-UXSD幹事団からご連絡を行います.可能な限り事前のご購入をお願い致します. |
申込締切 | |
原稿締切 | 2020年5月21日(木) |
プログラム
6月18日(木)
12:45 – 12:50 [オープニング]
開会挨拶、UXSD研究会の趣旨説明
UXSD研究会委員長 大野健彦(NTTテクノクロス)
12:50 – 14:05 [サービスデザインの実践]
1. なぜモールに至ったのか?-Lean UXを実現するAgileマインド研修のLean UXデザイン
○田中 貴子 (NTTテクノクロス), 斎藤 忍 (NTT), 大野 健彦 (NTTテクノクロス)
2. まちを舞台としたリビングラボにおける市民との共創の多様性
○赤坂 文弥, 中谷 桃子 (NTT)
3. ローカルイノベーションを支援するデザインプロセスの検討~たまプラーザでのリビングラボプロジェクトを事例に~
吉田 悠, 大戸 朋子, ○東條 直也, 馬田 一郎 (KDDI総合研究所), 南部 隆一 (ACTANT), 新井田 統 (KDDI総合研究所)
14:05 – 14:15 [休憩]
14:15 – 15:15 [showcase]
s1. デザイン賞におけるサービスデザイン・UXの傾向
○河野 泉 (NEC)
s2. The benefits of design sprints for big enterprises in Japan
○フェリペ・ポンテス, 永井 菜月 (ニューロマジック)
s3. 組織における「インターフェースとしての人」
○赤羽 太郎 (コンセント, サービスデザインネットワーク日本支部)
s4. システム開発におけるSD/UXデザイン実践ノウハウ共有へのチャレンジ
○宇津木 希 (NTTデータ)
※showcaseセッションは、原稿なしの発表のみのセッションです。内容は当日しか聞くことができませんので、ご興味がある方は是非ご聴講ください。
15:15 – 15:25 [休憩]
15:25 – 16:40 [サービスデザインの理論と実践]
4. 複雑性と不確実性が増しているVUCA社会で、独創的な解決策の源泉である「内発的動機」を育む、行動経済学的アプローチ
○山本 薫, 長谷川 敦士 (武蔵野美術大学)
5.「デザイン実践研究」の社会科学的方法からの再構築-Weber・Myrdalの「客観性」議論を参考に-
○西村 歩 (慶應義塾大学), 新井田 統 (KDDI総合研究所)
6. 自分らしさを発見するための二人称的アプローチを活用したリフレクションの考察
◯瀧 知惠美 (ミミクリデザイン), 富田 誠 (東海大学)
16:40 – 16:50 [休憩]
16:50 – 17:50 [招待講演]
「巨人の肩の上でもがく ― デザインの実践と研究の相互補完関係」
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 准教授 北崎允子
[要旨]
デザインの実践(Practice)と研究(Research)の乖離の問題は、伝統的に指摘されてきた。長年の間、アップル社の製品開発グループに所属しつつ大学でデザイン研究を行ってきたドナルド・A・ノーマンは、経済的価値創出を目的としたデザインの実践者と、学術的理論の発展を目的としたデザインの研究者が、それぞれ持つ技能や知識は別であることを前提とした上で、両者を翻訳し、相互補完関係を作ることが、イノヴェーションを生み出すためには大切であると言う。しかし、これは容易にできることではない。デザインを実践する上で、研究をどのように取り入れることができるのか。また、デザインの実践は、研究をどう押し進めるのか。そもそも、デザインという広範囲にわたる人間活動は、諸科学のどこに位置するのか。本公演では、両者の異なる知恵を相互作用させることの意味を、海外のデザイン研究の作法を事例に用いながら考察する。
17:50 – 17:55 [クロージング]
開催報告
SIG-UXSD 主催の第 177 回研究会は、6 月 18 日にオンラインにて開催された。今回はオンラインでの開催も相まって、北海道から沖縄まで全国幅広い地域から同時接続数で 140 名を超える参加を得た。
当日は、サービスデザインのプロセスや手法に関する学術的側面からの議論に焦点をあてた 6 件の論文と、実践事例を紹介する 4 件の Showcase に関する発表があった。招待講演では、武蔵野美術大学北崎允子准教授から「デザインの実践と研究の相互補完関係」について、理論と実践の間にあるギャップにフォーカスを当て、理論側も実践し、実践側も理論を構築することの生み出す効果についてお話頂いた。発表論文でも実フィールドにおける実践を通じたプロセスや手法の仮説と検証の報告があり、研究会全体を通じて、利用者にフォーカスするサービスデザインにおいて実践の場が実験の場であり、相互に補完し合うことによってブラッシュアップされていくことが実感された。
当日の質問はチャットで受け付けられた。参加者は発表を聞きながら随時質問できることもあり多くの質問が挙がり、活発な質疑応答が行われた。
NTT データ 宇津木 希