第225回ヒューマンインタフェース学会研究会は「生成AI×サービスデザインの実践」をテーマとして、2025年11月6日にオフライン/オンラインハイブリッド形式で開催されました(オフライン会場:東芝共創センター Creative Circuit(川崎市)、オンライン会場:Zoom Web会議サービス)。
最初に、株式会社ビービット執行役員の藤井保文様による招待講演「顧客視点の生成AI ―AIに縛られないサービスデザインのために」が行われました。生成AIが当たり前に使われる時代のUXやビジネスモデルの変化について、具体的な事例も含めて紹介されました。体験価値が高く誠実なAIが選ばれるようになる中で、働く人に対してはAIをマネージする側になるかされる側になるかが問われ、企業では適切なUXに関わるAIへの投資が必要になることが語られました。また、「視点を補完する上司」などのカスタムAIを作成した経験から、”価値の源泉となっているポイントを丁寧にブレイクダウン”することの重要性が説明されました。AIを単なる効率化ツールではなく”人間の能力を拡張・アップデートする”存在として位置づける視点が印象的でした。AI活用が進む中で、人間が判断すべき領域をどう設計するかという課題提起に、多くの参加者が共感していました。
一般講演では6件の発表があり、前半3件は「生成AIを用いたサービスデザイン」に関する報告でした。AIを活用して個人やチームの創造的思考を促す方法、デザインプロセスの再構築、データや情報の取り扱いを含めた新しい設計手法などが提案され、生成AIが人の思考や関係性にどのような影響を与えるかについて議論が交わされました。後半3件は「生成AIを用いたサービス提供」をテーマとし、産業や教育など実際の現場でAIを導入する際の課題と展望が紹介されました。組立作業の自動判定支援、社会インフラ分野でのインタラクション原則の策定、学習支援における対話型AIの活用など、AIを現場に統合する試みが多角的に報告されました。
今回の研究会は、生成AIをテーマとしながらも、単なる技術導入にとどまらず、人間中心の価値創出や新しい体験設計をめぐる議論が中心となりました。参加者はオフライン・オンライン合わせて約70名で、研究者と実務者が立場を越えて意見を交わし、生成AI時代のサービスデザインの方向性を考える貴重な機会となりました。AIと人間の関係性をどう再定義するか、そして「よりよい体験」をいかに設計するかという問いが、今後の研究・実践を通じてさらに深まっていくことが期待されます。
今回の研究会は、生成AIをテーマとしながらも、単なる技術導入にとどまらず、人間中心の価値創出や新しい体験設計をめぐる議論が中心となりました。参加者はオフライン・オンライン合わせて約70名で、研究者と実務者が立場を越えて意見を交わし、生成AI時代のサービスデザインの方向性を考える貴重な機会となりました。AIと人間の関係性をどう再定義するか、そして「よりよい体験」をいかに設計するかという問いが、今後の研究・実践を通じてさらに深まっていくことが期待されます。

新井田 統(千葉工業大学)