2025年5月13-14日、沖縄産業支援センターにて211回ヒューマンインタフェース学会研究会が開催されました。この研究会は電子情報通信学会のHCS、HIP研究会との連催でした。また、今回の研究会はSIG-COASTER(コミュニケーション基盤専門研究委員会)の記念すべき第1回めの開催でもありました(SIG-COASTER-01)。

今回は新型コロナウィルスの流行も落ち着いてきたとの判断から、ここ数年行っていた現地開催とオンラインを併用するハイブリッド開催ではなく、現地オンサイトのみで開催することになりました。14件の発表があり、13日は23名、14日は17名、2日間で延べ40名が参加しました(他研究会参加者を含めると常時だいたい30名程度がフロアで研究発表を聴講しました)。

VR空間やメタバースでの人間のパフォーマンスに関する研究、保育や医療福祉の現場での研究、生成AIを利用した研究など、基礎から応用まで、幅広い発表と議論がなされました。また、13日の終わりにはSIG-COASTER(コラボレーション基盤専門研究委員会)キックオフを記念してHCS、HIP研究会と3つの研究会からそれぞれ1名ずつの代表者を出し、「コラボレーションと未来」というテーマでご発表いただき、フロアを巻き込んだ議論がなされました。3研究会のコラボレーションは参加者の評判もよく、今後も定期的に開催してはどうかという意見が複数聞かれました。

13日には、2023年度に発表された次の2件の発表に最後のSIG-CEコミュニケーション研究賞が授与されました。
・新田宗史, 横田一晟, 奥野唯織, 北村尊義
「作業浸漬宣言からの経過時間提示システム利用者に話しかけるタイミングの違いに着目したデザインのための調査」
・西尾嘉津政, 岡耕平
「理学療法臨床経験の違いによる自身の動作表現と動作指導表現の違いに関する研究」

今回はさらに研究会開催に合わせて研究会前日の12日に「街歩き交流会(まちまーい)」が開催されました。4名という少数の参加者でしたが、そのぶん少人数の機動力を活かして街の中にあるその土地に根ざしたインタフェースを見つけつつ、議論することで交流を深めました。この企画は今後も継続しようということになりました。

SIG-COASTERは今後「学術的な議論を重ね、コラボレーション(さまざまな「Co-」)の基盤に関する研究知見を集積するための研究会」として活動します。みなさまの発表をお待ちしております。