大須賀美恵子(大阪工業大学)
大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部で,ウエルネス研究室という名前を掲げて学生と楽しく研究・交流をしています.2017年度のヒューマンインタフェースシンポジウムを開催しましたのでいらしてくださった方も多いかと思います.コロナ禍で対面機会が減りましたが,私自身はオンライン大好き派.カメラ越しでもマスクをしていない顔の方が表情が伝わりやすいからと,ゼミも研究室もoViceを用いてオンライン・バーチャルでやっています.
話を研究室名に戻します.ウエルネス研究室と名づけたのは2006年(情報科学部の4年間は研究室名称決定の裁量なし),15年を超えました.そもそも「ウェルネス」という言葉は,前職の三菱電機で「21世紀ビジョン」の策定に向けて提案した言葉です.採用時に上司が「ウェル」と打てなくて「ウエル」になったとか,今となっては真偽がわかりません.この頃からずっと,多様な人がそれぞれの特性に応じて活き活きと生活できる社会をつくりたいと「ウエルネス」を掲げています.2000年前後に,病床の人や高齢者の癒しや活性化を目的としたVRシステム,介護施設で楽しく運動してもらうシステム,洗面所で健康支援や家族をつなぐシステムなどに取り組んでいました.国の施策にも「well-being」が取り込まれる昨今,私も昔のテーマに再び取り組んでいます.
実は(ご存じのとおり?)2月に前期高齢者の仲間入りをしました.客観的に取り組んで来た高齢者の課題に当事者として取り組めるなどと意気込んでいましたが,いざ,介護保険証が届くとショックでした.やりたいことが一杯あるのに大学の再雇用ポストもあと2年半.退職後もワクワクし続けるにはどうすればよいか,何かやらなくちゃという思いが先に立って,特任になっても減らない大学業務を愚痴りながら睡眠時間を削って,思いつくことを手当たり次第やっていました.学生に任せず自分でも手を動かそうと,WordPressで研究室webサイトをつくったり,嫌いなPython(私はMATLAB Loverです)の画像処理を教えてもらったり,M5stickで遊んでみたり.はたまた,社員のいない株式会社をつくったり(休眠中),琵琶湖のほとりにワーケーション用のマンションを買ったり(入居はまだまだ先).でも,そろそろ,これではいけない,本当にやりたいこと・一番ワクワクできることを見極めて,優先順位を決めて進めなければと考え始めました.今,流行りの言葉でいうと「自分探し」でしょうか.何を今さら!いくつやねんと言われそうですし,学生にいつも言っていることです.そして,数か月考えた結果,「じっくりと研究する」が目標となり,これを実現する方法の模索を始めました.気が変わらなければ(笑),まだ当分,現役研究者としてこの学会にも顔を出したいと思っていますので,どうぞよろしくお願いします.
バーチャル研究室:https://oit-wellness.ovice.in/
研究室webサイト:https://oitrdwellness.com/