浅野 陽子（ＮＴＴテクノクロス）
私が今の会社で新卒採用担当になってちょうど1年が経ちました。それまでは、学生とはほとんど縁のない生活で、今の学生がどんな価値観を持っているのか、どんな就活をしているのかもまったく知りませんでした。自分が就職したのはバブル期で、就活をした記憶も定かではなく、ましてや自己分析や会社研究を熱心にやった覚えもありません。元々人間中心設計の研究をしていたので、どのような業務に携わるにもまずは相手のことを理解したくなるのですが、そういう意味でも戸惑いの多いスタートでした。
会社の採用担当がどのようなことをするのかも知りませんでした。応募してきた学生の選考をするのが主な仕事かと思っていましたが、それは大間違いでした。私が以前にいたＮＴＴの親会社の場合は会社名を知らない人はいませんでしたが、ＮＴＴテクノクロスという会社を知っている人にはほとんど出会えません。ＮＴＴグループの数百もあるグループ会社の中に埋もれてしまっているのです。選考よりもまず、多くの学生に当社のことを知ってもらい興味を持ってもらうことが、採用担当でもっとも頭を使うべきところでした。
さまざまな場面で企業紹介の機会をいただき、ＮＴＴテクノクロスは数少ない研究所系子会社の一つで、会社の名前のとおりＮＴＴの研究所の最先端技術や国内外の技術を掛け合わせて新たな価値を創造するソリューションやサービスを開発している会社なんだよと説明すると、少しぴんときてもらえるようです。農業や畜産業、ヘルスケアなどを含む幅広い業界にDXで価値を提供している点も魅力として捉えられています。さらに、学生自身が当社で働くイメージを具体化してもらうために、インターンシップや先輩との交流、会社見学などを企画しています。でもまだ学生の心に響く企画は手探り状態です。コロナ禍でオンラインが普及したことにより遠方の学生にも容易に参加していただけるようになった一方、やはり対面の方がお互いを深く理解できる等のメリットもあり、今後はコロナ収束に伴い対面での企画も増やしていきたいと考えています。また、インターンシップ制度の在り方や就職活動ルールも変わってきますので、実施時期の見極めも重要になります。
新卒採用担当になって、改めて客観的に自社の魅力を知ることができました。当社が「働きがいのある会社」に認定されていることも後押ししているようです。ＮＴＴグループで築き上げられた充実した福利厚生や多様な就労形態といったハード面だけでなく、社員同士の和気藹々とした楽しい雰囲気やキャリア形成につながるさまざまな成長支援施策といったソフト面も高く買われています。学生の価値観も昔とは変わってきていることを実感させられます。
当学会の活動を通して培った大学の先生方とのご縁も今の職になって改めて貴重なコネクションとなっています。昔のように先生に相談して会社を決める学生は少ないようですが、学生の考えや行動をよく知る先生方のお話はとても参考になります。これからもこのご縁を大切に育んでいきたいと思っています。
ＮＴＴテクノクロスに少しでも興味がある方は、是非ご連絡ください！
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