中村聡史(明治大学)
趣味で使いにくい・分かりにくいインタフェースであるBADUI(バッドユーアイ)を集め、それを整理・発信しているうちに、いつの間にか仕事の一部になっている明治大学の中村聡史です。
BADUIの例としては、例えば下図のような「回答することが困難な秘密の質問」や「記入ミスを誘発する登録フォーム」、「初期化してしまう入力フォーム」や「検索方法がわからない検索UI」などがそれにあたります。こうしたユーザインタフェースは、なぜ間違ってしまうのか、なぜこういうものを作ってしまったのか、どう改善したら良いのかなど考えることが多く、とても面白いものです。
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回答が困難な秘密の質問
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記入ミスを誘発する登録フォーム
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初期化してしまう入力フォーム
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検索方法がわからない検索UI
「BAD UI」でも「BadUI」でもなく、「BADUI」としているのは、それ自体の読みにくさをBADUIにしたいという意味もあります。
さて、仕事の一部とは書きましたが、大学の講義や、高校・大学向けの出張講義など、様々なところで活躍してもらってはいるものの、今のところそれ自身が研究費の獲得や、大きな収入などに繋がっているわけではありませんので、まぁ趣味の延長みたいなものかもしれません。ただ、色々な大学でネタとして使っていただいているようで、いつも嬉しく思っています(SNSでBADUIが見つからないという他大学の学生さんの嘆きを見て微笑ましく眺めています)。
このBADUI収集し、楽しいBADUIの世界として発信を続けていたことがきっかけで、2011年12月にDr.トモクフから依頼を受け、ヒューマンインタフェース学会にて「BADUI診療所」の連載が始まりました。発信することはとても重要なのだなと思います。こちらに、これまでのすべてのものを公開しておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ。
さて、このBADUI診療所、2012年3月にカルテ1の初稿が出てから、それから約11年にわたり奇跡的にも一度も原稿を落とすことなく、季刊連載を続けていることになります。それもこれもこれも毎回「原稿〆切そろそろです」とリマインダーをくれるDr.トモクフのおかげなのですが、10年以上も連載を続けていると、これはすでにやってしまった、これもやってしまったとなってしまってなかなか原稿書きに移ることができず、いつも〆切間際でDr.トモクフを困らせてしまっています。たった2ページの原稿を、3ヶ月に1回書けば良いのにこの有様ですので、週刊連載などを続けられる漫画家さんは本当に信じられない存在です。
ということで、いいBADUIのネタをお持ちの方がいらっしゃいましたら、SNSに #BADUI とハッシュタグをつけて投稿いただくか、こちらにBADUIを投稿いただけますと幸いです。また、講義などのレポートで面白いものなどありましたら、ぜひ教えていただけますと幸いです。泣いて喜びます。
それでは、今後いつまで続くかわかりませんが、「BADUI診療所」を末永くよろしくお願いいたします。