MENU

シンポジウム概要

2024年 9月18日(水)-20日(金)

京都大学 吉田キャンパス

 

What’s New

 

  • 原稿等の提出を締め切りました(7/17更新)
  • 参加申し込みを開始しました(6/27更新)
  • 発表申し込み締め切りが延長されました(6/23更新)
  • 講習会の詳細が公開されました(6/10更新)
  • 特別講演の詳細が公開されました(4/30更新)
  • 発表申し込みを開始しました(4/3更新)
  • 講演募集要項を掲載しました(2/14更新)
  • シンポジウムイメージビデオを掲載しました(1/19更新)
  • シンポジウム概要を掲載しました(11/21更新)


大会長挨拶

HI2024大会長 石井裕剛先生の顔写真

 

学問を楽しむ・伝統を楽しむ

 

 ヒューマンインタフェースの研究者やユーザが一堂に会する学会最大のイベントであるヒューマンインタフェースシンポジウムは、1999年に第1回が大阪大学で開催され、2024年の開催で25回目を迎えます。

 この間、ヒューマンインタフェース研究の潮流は、人間中心設計・ユーザ中心設計・ユニバーサルデザイン・ユーザエクスペリエンス・インクルーシブデザイン・サービスデザイン・サステナブルデザインなど、様々に変化してきました。これらは、注目する対象や範囲は異なるものの、より良い世界の実現を目指すという点では同じ方向を向いた研究であると思います。しかし残念ながら、世の中には目を覆いたくなるようなデザインがまだまだ散見され、ヒューマンインタフェース研究は道半ばの感があります。25回目のシンポジウムは、次の25年の活動に向けて、私達が実現したい未来のビジョンを共有し、参加者間の絆を深める場となることを目指したいと思います。

 今回のシンポジウムの会場は、京都大学吉田キャンパスです。吉田キャンパスから歩いて行ける距離の場所に「哲学の道」と呼ばれる自然豊かな散歩道があります。春は桜、初夏は蛍、秋は紅葉が楽しめる水路沿いの美しい小道で、日本を代表する哲学者・西田幾多郎先生や田辺元先生らが散策しながら哲学について思索を巡らせたことから、このように呼ばれるようになりました。古都京都は歴史の都であると同時に学問の都でもあります。京都という地で、深い伝統の中に息づく学問の精神を感じながら、皆様も新たなヒューマンインタフェースの可能性を探究してみませんか?

 素晴らしい成果を出すためには真剣に取り組むことも必要ですが、時には自然の中を探索しながら思索するなど、楽しみながら考えることも必要だと思います。今回のシンポジウムはテーマを「学問を楽しむ・伝統を楽しむ」とし、皆様に学問を楽しんで頂くと同時に、京都の伝統を楽しんで頂く企画を多数計画しています。是非、京都まで足を運んで頂き、シンポジウムを楽しんで頂きたいと思います。皆様からの多数の発表と参加をお待ちしております。

 

                大会長 石井 裕剛(京都大学)

 

特別講演 9月19日(木)午後

伝統芸能から引き継がれたマンガ・アニメ・特撮の表現手法

 

應矢 泰紀(おおや やすのり)

京都国際マンガミュージアム学芸室員

【講演概要】
 国産のTVアニメ第1号「鉄腕アトム」が1963年に放映されてから、約60年が経過した。いつしか日本のアニメは海外でも高い評価を得るようになり、注目度は上がっていく一方だ。もちろん海外でも面白い作品が多く作成されているのだが、日本の作品が一際高い評価を得ている理由は何故なのだろうか。キャラクターの表情や仕草、ストーリーの奇抜性、創造性豊かな設定や世界観・・・理由は他にも考えられるが、日本独自である「間」の表現が挙げられる。実は「鉄腕アトム」の時点ですでに「間」の表現が行われているのだが、日本の伝統芸能である歌舞伎のDNAがアニメに刻まれているようなのである。
 過去と比べると現代の成人でアニメを見ている人口は増えているが、残念ながら歌舞伎を見たことがあるという人は減っている印象がある。そのためか、アニメに引き継がれた歌舞伎の表現手法に気づかれる事が少ないのも致し方ないが実はアニメ制作者の間では有名な話なのだ。厳密に言えば、アニメ表現が開発された後に歌舞伎と同じ効果が発生していたことに気づいたという後付を主張する意見もあるが、仮に偶然の結果だったとしても日本人独特の感性と考えることができる。
 この度の講演では具体的にそれはどのような表現なのか「見得」「名乗り」「上手・下手の関係」などを紹介する。歌舞伎から引き継がれた流れとして時代劇、特撮時代劇、特撮(スーパー戦隊)や、そしてマンガやアニメを例にその効果を振り返ってみたいと思う。
 予備知識として思い出していただきたいのが、歌舞伎と違い実写映画やアニメはカメラが縦横無尽に配置する事ができ、且つズーム、パン、チルトなどのカメラワークが行えること、数台のカメラを様々な角度から撮影することで、カットインなどの編集も行うことができる。つまりどんな場面でも一番の特等席で見られるのが映像メディアの最大の特徴であるということだ。ところがこんな素晴らしい技術があるにもかかわらず、観客席から見える役者の動きを再現した映像が今も作成されている事を知っていただくことなるだろう。
 私の講演を聞いて、歌舞伎を見に劇場に足を運ぶキッカケになれば本望である。
 時間が許せば古いアニメから引き継がれた新しいアニメのDNAにも触れる。

 

【プロフィール】
1974年、大阪府生まれ。京都国際マンガミュージアムで学芸室員として展覧会やイベントの企画運営に携わる。アニメを中心にサブカルチャーにおける表現研究を行い、映像作家としてアニメやビデオアート作品を国内外に発表する。妖怪研究家の一面もあり、妖怪マンガの監修や、立体作品の作成などの活動をしている。著書に「アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ」「マンガ京・妖怪絵巻」がある。

PAGETOP
Copyright © ヒューマンインタフェース学会 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.