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シンポジウム概要

2025年 9月10日(水)-12日(金)

金沢工業大学 扇が丘キャンパス

What’s New

  • 会場案内のページを更新しました。会場までの移動に際し、一度内容をご確認ください。(9/7更新)
  • 参加費のご入金を確認させていただいた方を対象に参加者専用のイベントガイドが公開されました。(9/3更新)
  • 参加費のご入金を確認させていただいた方を対象に論文PDFを公開されました。 (9/3更新)
  • 9月11日(水)に 行われるEvening Session は現在、定員に近い多数のお申込みをいただいております。
    会場の収容人数の都合上、定員に達し次第、予定より早く受付を終了する可能性がございます。
    参加をご希望の方は、ぜひお早めにお申込みください。(9/1更新)
  • 会場行きバスのご案内(8/25更新)
  • 発表要領が公開されました(8/12更新)
  • 全体スケジュールおよびプログラムが公開されました(8/8更新)

  • 大会長挨拶

    HI2025大会長 山本知仁先生の顔写真

    ミライノインタフェース

     ヒューマンインタフェース学会が主催する最大のイベントであるヒューマンインタフェースシンポジウムは、2025年が第26回目となります。昨年に京都で開催された第25回では、参加者数がコロナ禍以降、初めて600名を超え、以前の活気を取り戻しつつあります。
     今回のシンポジウムは、石川県野々市市にある金沢工業大学扇が丘キャンパスで開催されます。ご存じのように、2024年1月1日に石川県では大きな地震があり、能登地方を中心に被災しました。また、同年9月には豪雨による災害もありました。日本は、世界の国々に比べより早く少子高齢化などが進み、課題先進国と言われることがありますが、日本の中でも各地方はその課題が進んでいると思います。その中で、今回の自然災害は一気に時を進めました。徐々に人口が減っていく予想だった輪島市は、地震後に人口が10%程度減り、現在9校ある小学校は3校に集約される計画となっています。このような状況を鑑みると、石川県は都市圏に比べ少し未来を生きていると考えられます。
     ヒューマンインタフェースシンポジウムでは、これまで人と人工物の関わりをより良くするための研究が多く発表されてきました。例えば、人の認知的な特性を丁寧に調査する基礎的な研究や、ユーザのプロファイルに基づいてプロダクトのUI/UXをデザインするような応用的な研究など、幅広い研究をカバーするのが本シンポジウムの特徴ともいえます。現在、スマートフォンとその上で動作するアプリケーションが老若男女問わず利用されるようになった背景には、これまでの研究が実を結んでいることがあると思います。その一方で、現在、様々な領域でデジタルトランスフォーメーションが実現される中、生成AIが急速に進歩しつつあり、未来の技術であると思われていたAGI(汎用人工知能)も、もうすぐ登場しようとしています。このような新たな技術群は、これまでのインタフェースをさらに変化させていくことが予想され、改めてその在り方を考える時期が来ていると考えています。 このような「ミライ」が交錯する石川で、多様なバックグラウンドを持つ皆様と会し、これからのヒューマンインタフェースについて議論できればと思っています。多くの方々のご発表、ご参加を心よりお待ちしております。

            HI2025大会長 山本 知仁(金沢工業大学)

    特別講演

    拡張する美術館

    黒澤 浩美(株式会社ヘラルボニー CAO (Chief Art Officer)/
    東京芸術大学 特任教授)

     多様化が進む現代社会において、美術館は芸術・デザイン・建築を媒介に、福祉や教育分野にも新たな提案を行う存在である。特に、デザインは形態を整える技術にとどまらず、人と人、人と環境を結びつける社会的触媒として機能する。金沢21世紀美術館は、その建築自体が人々の回遊や滞留を促し、多様な背景を持つ人々を自然に交差するように予見、デザインに反映させた美術館として2004年に開館した。特に、水平性の確保は、街と同化するように考えられたものであり、包摂的社会の実現に挑んだものである。特に、ミッションとして明文化した、次世代の子どもが主体的に参加できる空間は、福祉・教育と芸術を融合させる。今後はデジタル技術と空間デザインを統合し、遠隔地や社会的制約のある人々にも創造的活動の機会を広げていくだろう。
     ICOM(International Council of Museums/国際博物館会議)は、美術館の機能・役割を拡張することを提唱している。収集・保存・展示・教育といった従来機能を超え、地域や都市との結節点、異分野協働による価値創造、デジタル領域での活動が美術館の使命として再定義されつつある。金沢21世紀美術館はこの潮流に沿って、街の中心に開かれた円形ガラスの構造を持ち、市民が日常的に通り抜け芝生や回廊で過ごせる環境を整備。展示室、カフェ、コミュニティスペース、教育プログラム、アーティスト・イン・レジデンスを通じて多層的な交流を創出し、SNSやオンライン展示、遠隔教育などで物理的距離を超えた観客層ともつながっている。現代美術を中心に展開した20年間は、しかしながら、加賀友禅や金箔など伝統工芸が息づく金沢という文化都市の土壌があったからこそ、である。美術館は地域文化の歴史資源と国際的な芸術潮流を結びつける役割も果たしている。めまぐるしく変化する時代において、金沢における美術館の有り様について、考える機会となれば幸いである。



    プロフィール:
    ボストン大学(マサチューセッツ州、アメリカ合衆国)卒業後、水戸芸術館(茨城)、草月美術館(東京)を経て2003年金沢21世紀美術館建設準備室に参加。建築、コミッションワークの企画設置に関わる。2004年の開館記念展以降、金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターとして、「オラファー・エリアソン」「ス・ドホ」「フィオナ・タン」「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」「マーク・マンダース」「ミヒャエル・ボレマンス」など、国内外で活躍する作家と作品を紹介。ミュージアム・コレクションの選定や学校連携や幅広い年齢の来館者に向けた教育普及プログラムも企画実施。2011年City Net Asia(ソウル、韓国)、2017年OpenArt(エレブロ、スウェーデン)に参加。2018年東アジア文化都市(金沢)総合キュレーター。2022年より株式会社ヘラルボニー アドヴァイザー、2025年3月に金沢21世紀美術館を離れ、同4月より株式会社ヘラルボニーCAO(Chief Art Officer)に就任。岡山にある公益財団法人石川文化振興財団ラビットホールのディレクター、株式会社anemos共同代表、東京芸術大学特任教授。

     

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