本183回研究会は,2021年6月1日から2日にかけて開催された.例年多くの関連学会と共同で開催されている研究会である.本年は,SIGDeMOが幹事研究会であり,その他,情報処理学会のHCIとEC研究会,日本バーチャルリアリティ学会,映像情報メディア学会HI,電子情報通信学会MVEとの共催または連催であった.2019年まではかなり長い期間,東京大学山上会館で開催してきたが,COVID-19感染拡大状況を踏まえ,昨年に引き続きオンライン開催となった.今回はオンライン開催の特徴を応用して,Zoomでの研究発表と合わせてSlackを用いた質疑応答のコミュニケーションプラットフォームを用意して,議論の活性化を図った.SIG-DeMO独自の企画として,Slack上を盛り上げた発表者と質問者に賞を準備した.具体的には,Slack上で議論が白熱した発表に対してMost Discussed Presentationを3件,また,Slackに最も議論やコメントを投稿した質問者にBest Moriagest2件が贈られた.受賞者には副賞も贈呈した.

発表は全研究会合わせて25件であり,参加者はZoom上の最大数は52名で,常時40人以上が聴講していた状況であった.Slackのアクティブユーザ数は90名に達していた.Slack上では,二日間合計して527コメントあり,これを発言量として見るとすると,対面よりは多い情報交換ができていたように感じる.プログラムは全研究会の発表混同で作成しており,座長も他研究会の発表を中心に見届けるように組んだので,しっかりと研究会同士の交流もできていた.実際には,どの発表に対してもかなり活発な議論や質問がなされており,発表者・参加者の皆の協力で充実した議論の場が作れたと感じた.来年も同研究会はほぼ同時期での開催が予定されている.