2024年 9月18日(水)-20日(金)
京都大学 吉田キャンパス
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大会長挨拶
特別講演 9月19日(木)午後
於:京大吉田キャンパス百周年時計台記念館記念ホール
伝統芸能から引き継がれたマンガ・アニメ・特撮の表現手法
應矢 泰紀(おおや やすのり) 京都国際マンガミュージアム学芸室員 |
【講演概要】
国産のTVアニメ第1号「鉄腕アトム」が1963年に放映されてから、約60年が経過した。いつしか日本のアニメは海外でも高い評価を得るようになり、注目度は上がっていく一方だ。もちろん海外でも面白い作品が多く作成されているのだが、日本の作品が一際高い評価を得ている理由は何故なのだろうか。キャラクターの表情や仕草、ストーリーの奇抜性、創造性豊かな設定や世界観・・・理由は他にも考えられるが、日本独自である「間」の表現が挙げられる。実は「鉄腕アトム」の時点ですでに「間」の表現が行われているのだが、日本の伝統芸能である歌舞伎のDNAがアニメに刻まれているようなのである。
過去と比べると現代の成人でアニメを見ている人口は増えているが、残念ながら歌舞伎を見たことがあるという人は減っている印象がある。そのためか、アニメに引き継がれた歌舞伎の表現手法に気づかれる事が少ないのも致し方ないが実はアニメ制作者の間では有名な話なのだ。厳密に言えば、アニメ表現が開発された後に歌舞伎と同じ効果が発生していたことに気づいたという後付を主張する意見もあるが、仮に偶然の結果だったとしても日本人独特の感性と考えることができる。
この度の講演では具体的にそれはどのような表現なのか「見得」「名乗り」「上手・下手の関係」などを紹介する。歌舞伎から引き継がれた流れとして時代劇、特撮時代劇、特撮(スーパー戦隊)や、そしてマンガやアニメを例にその効果を振り返ってみたいと思う。
予備知識として思い出していただきたいのが、歌舞伎と違い実写映画やアニメはカメラが縦横無尽に配置する事ができ、且つズーム、パン、チルトなどのカメラワークが行えること、数台のカメラを様々な角度から撮影することで、カットインなどの編集も行うことができる。つまりどんな場面でも一番の特等席で見られるのが映像メディアの最大の特徴であるということだ。ところがこんな素晴らしい技術があるにもかかわらず、観客席から見える役者の動きを再現した映像が今も作成されている事を知っていただくことなるだろう。
私の講演を聞いて、歌舞伎を見に劇場に足を運ぶキッカケになれば本望である。
時間が許せば古いアニメから引き継がれた新しいアニメのDNAにも触れる。
【プロフィール】
1974年、大阪府生まれ。京都国際マンガミュージアムで学芸室員として展覧会やイベントの企画運営に携わる。アニメを中心にサブカルチャーにおける表現研究を行い、映像作家としてアニメやビデオアート作品を国内外に発表する。妖怪研究家の一面もあり、妖怪マンガの監修や、立体作品の作成などの活動をしている。著書に「アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ」「マンガ京・妖怪絵巻」がある。
【参加費】
本特別講演は一般公開します。特別講演のみ聴講の場合は参加費無料です。